子どもに買うおもちゃを選ぶ時に、どんな基準で選んでいますか? 子どもには良い影響を与えたいけど、何が良いのかよく分からない・・・ということもありますよね。
子どもに新しいおもちゃを買ってあげたいな。
でも、おもちゃってたくさんあって、目移りしちゃう・・・。
対象年齢で絞っても、すごくたくさんあるから悩みますよね。
そこで、おもちゃ選びに、「感覚統合」の事をちょっとだけ考えてみるのはどうでしょう?
感覚統合ってなに?
ちょっと難しそうだな・・・。
普段自分たちが感じているものだから、難しくないですよ。
分かりやすく解説します!
・感覚統合について簡単に学べる
・将来の子どもの発達を考えながらおもちゃを選べる
感覚統合ってなあに?
まず、人間の持っている感覚について説明します。代表的な感覚には、「見る」「聞く」「触れる」「味わう」「嗅ぐ」の5つがあります。
それに加えて、「固有受容覚」「前庭覚」という感覚があります。
この2つはあまり普段意識することのない感覚ですが、私達の日常生活に必須の感覚です。固有受容覚があるから自分の手足を見ないでも動かせますし、前庭覚があるから転ばないで移動できます。
この7つの感覚が受け取る膨大な感覚情報を、脳でうまく処理・整理していきます。これを感覚統合といいます。
感覚統合を通して、周りの情報を脳で理解していくことができます!
「感覚統合」があるからできること
この図は感覚統合の成長段階を表しています。
ピラミッドみたいに、1階から5階までありますね。
1階部分の触覚、前庭覚、固有受容覚は、人間が生まれながらに持っている「基礎感覚」と呼ばれています。
身体の状態を把握して、うまく動かすのにとても大事な役割を持っています。
うまくピラミッドが積み上がった、一番上に「学習」「社会性」という高度な副産物が出来上がります。
もし、土台の感覚がバランスよく育っていないとどうでしょうか。
ピラミッドが、崩れちゃっているね!上までちゃんと積み上がらないんだね。
1階部分がガタガタになることで、2階〜最上階まできちんと積み木が積み上がりません。
感覚統合のピラミッドが崩れてしまいます。
高学年になると、授業についていけなくなってしまう子がいます。そこで勉強(学習)ができない子だ!と思って、ひたすら勉強だけをしても改善しません。
下の階を見ていくと、実はきちんと触覚情報を受け取れていないことがあります。しっかり座れないことから始まっていたり、眼球運動が苦手な事で授業についていけなくなる場合も多いのです。
感覚って、日常生活と密接な関わりがあるんだね。
他にもこんな例があります
例1:人混みで友達とお喋りする時
周りの音は聞こえていても、「重要ではない」と判断して友達の声に集中できます。
周りの音、匂い、動きが気になってしまって全く集中できなくなります。
当然、友達とのお喋りが到底無理になってしまいます。
例2:黒板の文字をノートに書く時
視覚や基礎感覚などの感覚情報、姿勢、眼球運動、手の動きがすべて組み合わさって、
黒板の文字をノートに書き写すことが出来ます。
姿勢が崩れる、眼球運動が乏しい、手と目の協調が難しい等の症状で、
黒板の文字を追うことが出来ないために、書き写しが間に合わない。
勉強についていけない。
感覚統合の観点から関わり方を考える・おもちゃを選ぶ
感覚統合の重要性について解説してきました。もし今、子どもに何かの症状があるなら専門家に相談してください。
「感覚統合療法」は専門家の分野なので、お子様にあった治療が必要となります。
しかし、関わり方とおもちゃ選びに「感覚統合」の考え方を活かすことは誰でも可能です。
乳幼児期からの「感覚統合」への関わりをすることは、子どもが感覚や身体のバランスを調整して物事に適応する力を育てる、発達の大切な土台作りです。
感覚統合は、いずれ学習や身体スキルを身に着けるうえで欠かせないものになります。日常の遊びやおもちゃを通じて、自然に感覚を刺激する経験が豊富になるほど、子どもはよりバランスよく成長することが期待されます。
乳幼児のおもちゃには、感覚を育てる工夫がたくさん散りばめてあります。
以上のことを考えるだけでもグンとおもちゃ選びの質が高くなりますよ!
そっか!
それで子どもの好きな感覚や苦手な感覚を知ることもできそうだね。
苦手な感覚は、無理に慣れさせようとしないようにしてくださいね。
次の項目からは、以下を紹介します。
- それぞれの感覚の説明とオススメの遊び方
- 一階部分の感覚を意識したおもちゃ選びの一例
感覚統合を促す工夫で、子どもの発達をお手伝いしてみよう!
<感覚別>おすすめの遊び方
感覚統合における一階部分である、それぞれの感覚を刺激することで、さまざまな成長を引き出すことができます。
視覚
色や動き、距離感を認識するために必要な感覚です。新生児は生まれてしばらくはモノをぼんやりとしか見えませんが、成長するにつれ視野が広がって、色彩や動きにも反応し始めます。視覚を育む遊びは、視力だけでなく集中力や注視する力を育てます。
- 色や形、大きさの豊富なおもちゃ(積み木・ぬいぐるみ・ガラガラなど)をゆっくり動かして追視させる。
- カラフルな絵本を読んであげる。
- 大きいお子さんであれば、ボール遊びやダーツもおすすめ。
聴覚
音やリズムを認識する力を高め、言葉や音楽に親しむ土台となります。赤ちゃんは、リズミカルな音や優しい声に特に敏感で、日常の音を通じて耳の発達が進みます。
- ガラガラや、小さな楽器を鳴らして、優しく聴覚を刺激する。
- あえて無音の時間を作り、日常生活の音や外の世界の音(虫や鳥の声、車の音)を聞かせる。
触覚
肌に直接感じる感覚です。さまざまな素材や温度、硬さに触れることで、感覚を通じた学びが深まります。
- 柔らかいタオルやぬいぐるみを触る。
- つるつる・ざらざら等の材質の異なるものを触る。
- 冷たさや重さを感じるもの、様々なものを手や指で触れる経験を増やす。
固有感覚(筋肉や関節の感覚)
身体を動かしながら「今どの部分を動かしているのか?」「どれくらい屈めばトンネルをくぐれるのか?」と理解できるようになり、運動スキルの発達にも関係します。
- トンネルくぐりをする。
- 色々な形・重さの積み木を積み上げる。
- ボールを掴んだり、追いかけたりする。
- 粘土遊びでちぎる、丸める等の動作を経験する。
前庭覚(バランス感覚)
バランスや姿勢を保つ力です。遊具を使って体を揺らしたり、上体を安定させたりすることで、転倒しにくい体づくりにもつながります。
- バウンサーや柔らかい布でできたハンモックを使って、軽く揺れる
- 抱っこで、優しくスイングする。
- 大きい子であれば、トランポリンで弾む、ブランコ、滑り台などもおすすめ。
各感覚を育てるおもちゃ 0歳〜1歳
オススメのおもちゃが、どの感覚の刺激をできるかをまとめてみました。(筆者基準)今回は、「口コミ⭐️4.4以上」「0歳〜1歳のお子さん」を条件に選んでいます。
一番◎が多いから、一番オススメということではなく、あくまでおもちゃ自体の属性の分類です。
遊び方次第で◎や◯が増えるものもあります。
お子さんの年齢や遊び方に合うものを選ぶとき、参考にしてくださいね!
まとめ
乳幼児期におけるおもちゃ選びで、感覚統合を促すひと工夫ができます。
家庭での日常の遊びや、意識したおもちゃ選びを通じて、
楽しみながら感覚統合をサポートしてみてくださいね!
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